山や海、夏祭りなど楽しいイベント盛りだくさんの夏。そんなイベントを盛り上げるのが、そう「スイカ割り」です。
しかし、日本人ならば誰もが知るスイカ割りに、実は公式ルールがあることをご存知でしたか?
今回は、そんなスイカ割りのルールをあらためてご紹介してみましょう!
スイカ割りのルール
スイカ割りのルールは1991年、JA全農がスイカの普及活動の一環として「JSWA(Japan Suika Wari Association)公式ルール&マナーブック」を作成、各地で開催されるスイカ割りイベントのルールで採用されています。
公式ルールは主に
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第 1 条 (競技場所)
第2条 (用具)
第 3 条 (競技者)
第 4 条 (競技の開始)
第 5 条 (競技の進行)
第 6 条 (勝負の判定)
第 7 条 (後始末)
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の7つの条文で構成されています。
第 1 条 (競技場所)
- 競技場所は、どこでも楽しめるスポーツですが、できれば『砂浜』又は、『芝生の広場』 が最適である。
- すいかと競技者(割る人)の間の距離は、5m 以上7m 以内とする。
強制ではありませんが、行う場所は砂浜か芝生が最適なんだそうです。
人とスイカまでの距離は5m〜7m。まぁまぁ広いスペースが必要ということですね。
第2条 (用具)
- 棒は、直径 5cm 以内、長さ 1m20cm 以内の棒とする。
- 目隠し用として、手拭またはタオルを準備する。
- すいかは、『日本国産すいか』を用いる。
国産スイカの普及を目的としたルールブックなので3の条文は当然ですが、スイカ割りの要である棒の指定が漠然としているのは意外です。
目隠しはアイマスクとかでもよさそうな気がしましたが、見た目は確かに手ぬぐいやタオルのほうが様になりますね。
第 3 条 (競技者)
1.競技者はすいかを『割る人 1 名』と『サポーター複数』で 1 組とし、キャプテンを決 める。
『サポーター』は人数に制限はないが、『割る人』に対して『アッチだ』『ソッチだ』 と的確なアドバイスを出さなければいけないので、事前に自分のサポーターの声を認識 しておくこと。
2.審判員
審判員となるには、すいかが大好きであることを条件とする。
また、公正な道徳心を持 つ健康な人であり、特に以下の設問に 3 問以上答えられる人とする。
1 すいかの一番甘い部分はどこか?
答)「真ん中の部分」と答えれば正解。
2 すいかの水分はどのくらい?
答)「85%~91%」の範囲であれば正解。
3 おいしいすいかの見分け方は?
答)シマ模様がはっきりしていること。手のひらで軽いたとき、やや濁った音がする。などであれば正解。
4 すいかの種ってどのくらいあるか?
答)「400~500 粒」の範囲であれば正解。
5 すいかの原産地は?
答)南アフリカ、またはカラハリ砂漠周辺のサバンナ地帯であれば正解。
ここまでの条文は今までやってきた自己流スイカ割りとそれほど大きく違わない内容でしたが、ここに来て一気に厳しい条件に変わります。
特に、審判がスイカそのものに詳しくないといけないというのがハードルが高いです。
第 4 条 (競技の開始)
- 審判員は、距離と用具を確認する。
- 割る人の目隠しを確認する。この時、相手チームのキャプテンを同席し了解を得る。
- フォーメーションローリング(スタートする時の回転)をおこなう。回転方向は右回りで、回転数は 5 回と 2/3 回転とする。
「フォーメーションローリング」を行い、競技者の目を回してから競技に入るということのようですが、これは日本人の大半がやったことのない方式ではないでしょうか。
というか、目隠しした状態でまっすぐ7m歩くのだけでもけっこう大変な気が。
ちょっと難しすぎやしませんかねぇ?
第 5 条 (競技の進行)
- 競技者(割る人)の持ち時間は 1 分 30 秒とする。 審判員は、競技終了 30 秒前と 10 秒前に報告する。
- サポーターからのアドバイスにおいて、以下の行為を禁止する。
1 ,競技と関係のないアドバイス
2 ,競技者を中傷するような言動
3 ,スイカの真後ろに立って「私の声のする方へ」と言う指示 - 1人の競技者が終了したら、第6条により勝負の判定をおこなう。
- 勝負の判定が終わったら、次に、相手チームとスムーズに交代する。
第 6 条 (勝負の判定)
- すいかに当たらなかった場合、時間内であれば 3 回まで棒を振る事ができる。
- 以下の点数表を参考に審判員が点数をつける。
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点数
◆空振り…0点
◆すいかに当たった…1点
◆すいかにひび割れができた…2~4 点(ひび割れの程度による)
◆すいかの赤い果肉が見えた… 5~10 点
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第 7 条 (後始末)
- 勝ったチームは、すいかを食べる権利があり、負けたチームは、残ったら食べること ができる。
- 競技場所は、勝負の勝ち負けに関係なくきれいにしゴミは持ち帰ること。
第7条で、突如降って湧いたように出てきた複数チーム制。
第3条にプレーヤー1人とサポーター数名で一組とする、というルールはありましたが、 一組3人としても審判を入れて7人以上は必要ということになり、公式ルールにのっとったスイカ割りはけっこう大勢でないとプレーできないようです。
スイカ割りの棒の代用になるものは?
海水浴などに行った先でスイカ割りをしようと思ったら、手頃な棒が手に入らない、という問題が起こることがあります。
スイカ割りの公式ルールでは、サイズの指定はあれど素材には特に言及されていないので、簡単に手に入る「新聞紙とガムテープ」を使って自作してしまいましょう。
新聞を見開きにして斜めにくるくる巻き、ガムテープで補強して完成。
スイカは思いの外固いため、この新聞紙を使った棒だと竹竿やバットを使うよりもかなり割れづらいのですが、より多くの人に順番を回すことができ、硬い棒を使うより盛り上がるという長所もあります。
新聞紙は水に濡れるとふにゃふにゃになるので、しっかりガムテープで表面を覆って下さい。
こうすることで固さと重量も出ます。
まとめ
以上、意外に知られていない「スイカ割りの公式ルール」の解説でした。
近年は遊びもデジタル化の傾向にありますが、こういった風情のある遊び方は逆に新鮮ですよね!
この夏、あなたも公式ルールにのっとったスイカ割りで、今までの自己流スイカ割りと差をつけてみませんか?